抗菌コーティングとは、抗菌ができる成分をコーティング塗装する施工方法のことです。
抗菌コーティングでよく利用される抗菌成分
抗菌コーティングでよく利用される抗菌成分は、一般のご家庭向けでは次の2種類ございます。
- 銅イオンや銀イオンなどの「金属イオン」を使ったもの
- 酸化チタンなどの「光触媒」を使ったもの
銅イオンや銀イオンは、部屋やお風呂の防カビ、デオドラントなどで有名です。
光触媒とは、光が当たるとそれに触れているものを酸化分解する性質を持つ物質のことです。細菌類も酸化分解の対象となるため、光触媒を用いても抗菌ができます。
他にも、防カビ剤などの「抗菌剤」を使ったものもありますが、一般的なご家庭で利用するものとしては、身体への影響を考えて敬遠したいものです。
金属イオンや光触媒の抗菌成分と、それを塗布面に接着させる接着成分を添加した液剤(抗菌コーティング剤)を塗布する施工を、抗菌コーティングといいます。
除菌と抗菌の違い
最初に、除菌と抗菌の違いをご説明いたします。この2つの言葉は、似ていますが、まったく効果が異なります。
除菌とは、細菌の数を減らすことです。除菌スプレーを利用すると、細菌の数を減らすことができますが、その後に細菌が増殖したとしても、一時的にでも細菌の数が減っていれば「除菌ができた」と言えます。
それに対して抗菌とは、細菌の数を増やさないことです。抗菌コーティングを利用すると、細菌の数が増えなくなる効果が持続します。除菌が一時的なものに対して、抗菌は継続的な効果になります。
もちろん、除菌と抗菌の両方ができるものもあります。
金属イオンのメリット・デメリット
金属イオンによる抗菌は、金属イオンが細菌の細胞内に取り込まれて、細菌を活動を抑制したり、死滅させたりする効果を利用したものです。
金属イオンのメリット
銅イオンや銀イオンなどの金属イオンのメリットは、
- 光触媒と比べると高い抗菌力を持つこと
- 光が当たっていなくても抗菌ができること
後ほどご説明しますが、銅ドープ酸化チタンのような例外を除いて、光触媒は基本的に光が当たっていないと効果がありません。
金属イオンのデメリット
デメリットは、効果の持続期間が短いことです。金属イオンは、細菌類の細胞の中に取り込まれることによって効果が発揮されます。つまり、消費されていくということです。
金属イオンが消費されてしまったら、抗菌効果がなくなります。効果の持続期間は、長くても3年です。3年ごとにコーティングのし直しです。
デメリットを防いだ製品もあるが・・・
金属イオン切れを防ぐ方法として、「金属の微粒子入り」の抗菌コーティング剤がります。
「金属の微粒子入り」の抗菌コーティング剤は、アイデアとしては良いのですが、金属粒子がイオン化するためには水分が必要です。そのため、結露しているような場所では効果があると思いますが、室内の壁などに金属粒子を付着させても、ほとんど効果がありません。
光触媒のメリット・デメリット
光触媒は、光が当たるとOHラジカルと言われる活性酸素を発生させ、それによって細菌の表面の粘膜や突起、細胞壁などを酸化分解し、細菌の活動を抑制したり死滅させたりする効果があります。
光触媒のメリット
光触媒のメリットは、金属イオンと比べると効果の持続期間が長いです。なぜなら、光触媒は、抗菌力を発揮しても、光触媒そのものは分解も消費もされずに残り続けるからです。
効果の持続期間は、接着成分の耐久性によります。
光触媒のデメリット
光触媒のデメリットは、
- 基本的に光が当たっていないと効果が出ない(銅ドープ酸化チタンのように例外はある)
- 光触媒の種類によっては、抗菌力が著しく弱いものがあったり、まったく効果が無いものもある
光触媒の種類にはいろいろなものがありますが、光触媒の種類を選び間違うと、効果が弱かったり、まったく効果が無かったりします。そのため、光触媒の知識が求められます。
例えば、「窒素ドープ酸化チタン」や「酸化タングステン」ですと、白色LEDや蛍光灯といった光源の光でも抗菌力がありますが、手術室並みの明るい光を当てないとほとんど効果がありません。
また、光触媒としてもっとも利用されている「酸化チタン」は、紫外線ランプを照射しないと抗菌ができないといった具合です。酸化チタンは、光触媒の中ではもっとも利用されている種類ですが、紫外線がないと効果が出ないということで、室内利用では不向きです。
そういったことで、光触媒のデメリットは、「室内でも効果の高い光触媒を選ぶことができるか?」という判り難さがあります。
ちなみに、室内利用にてもっとも効果の高い光触媒は、銅ドープ酸化チタンです。銅ドープ酸化チタンは、薄暗い光の中では他の光触媒と比べて、10~20倍の効果があります。

ちなみに、「ドープ」の意味は、「添加した」とか「結合させた」という意味です。窒素ドープ酸化チタンは、「酸化チタンに窒素を結合させた成分」という意味になります。ドープの別名は「担持」ですから、窒素担持酸化チタンとも言われます。
銅ハイブリッド光触媒
そういったことで、銅イオンと光触媒を組み合わせた製品もあります。
銅イオンと光触媒を組み合わせた製品のことを、銅ハイブリッド光触媒といいます。
銅イオンの良さと光触媒の良さを組み合わせたことで、アイデアとしては良いのですが、これも実は問題があります。
弊社は光触媒メーカーですから、メーカーとしての本音で語りますと、銅ハイブリッド光触媒と称して販売されている多くの製品は、実は「紫外線にしか反応しない酸化チタンが用いられている」ということです。
酸化チタンは、紫外線ランプを設置して紫外線を照射しないと効果がありませんから、本音で語ると性質は「銅イオン抗菌コーティングと同じ」なのです。
難しい話ですが、そういった施工業者のPRに騙されないようになさってください。
銅ドープ酸化チタンはどうか?
銅ドープ酸化チタンは、一見すると銅イオンと酸化チタンを組み合わせた「銅ハイブリッド光触媒」に似たものですが、性質がまったく異なります。
銅ドープ酸化チタンは、酸化チタンの表面に酸化銅を結合させた光触媒です。酸化チタン単体ですと、紫外線が当たったときでないと抗菌力を発揮しませんが、銅ドープ酸化チタンは酸化銅の効果によって、白色LEDや蛍光灯といった光でも効果を発揮します。
さらには、ナノサイズの酸化銅は、それ単体でも触媒効果を発揮し、暗い部屋でも抗菌力があります。
もちろん光触媒ですから、光が当たったときの方が効果が高いのですが、他の光触媒とは異なって、光が当たっていなくても抗菌ができることは魅力です。
抗菌コーティングでもっとも抗菌力の高い製品は?
おそらくですが、抗菌力が高い銀イオンと、光触媒の中でも、室内で群を抜いて効果の高い光触媒「銅ドープ酸化チタン」を組み合わせた「銀ハイブリッド銅ドープ酸化チタン」が、もっとも抗菌力が高いのではないかと思います。
その製品は、非公式ですが、弊社のみで施工業者向けに業務用販売しています。
この製品は、お風呂や地下室、押し入れの中といった、光がほとんど当たらない場所の防カビ剤として、開発したものです。
リビングやトイレといった場所の抗菌コーティングでは、銅ドープ酸化チタンを使った抗菌コーティング剤で、十分に効果があります。
まとめ
室内を抗菌コーティングをするときの、効果の高さについてまとめると、次のようになります。
| 抗菌コーティング剤 | 効果の高さ | 効果の持続期間 |
|---|---|---|
| 金属イオン | 高い | 短い |
| 金属の微粒子入り | 弱い | 長い |
| 酸化チタン | 効果なし | 長い |
| 窒素ドープ酸化チタン 酸化タングステン | 弱い | 長い |
| 銅ハイブリッド酸化チタン | 金属イオンと同じ | 金属イオンと同じ |
| 銅ドープ酸化チタン | 高い | 長い |
| 銀ハイブリッド銅ドープ酸化チタン | かなり高い | 銀イオンの効果は短い |
弊社は、このように抗菌の知見やノウハウを持つ光触媒メーカーでもあります。抗菌施工のことなら、イリスまでお気軽にご相談ください。


