屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)とは、光触媒成分「銅ドープ酸化チタン」を使ったコーティング剤です。
この成分を表にすると、
| 光触媒 | 銅ドープ酸化チタン |
|---|---|
| 接着成分 | アモルファス酸化チタン |
| その他 | 水 |
これらの成分の解説は、「屋内用光触媒コーティング剤BX01-AB1の成分紹介【光触媒と接着成分】」をご覧ください。
BX01-AB1が分解できる化学物質の状態
さて、このコーティング剤は、ガス状の化学物質を分解することに適しています。
液体の中に混ざっている状態では、分解がほとんどできません。
その理由は、銅ドープ酸化チタンは光が当たることで、分解する性能が発揮されますが、液体ですと光が当たりが悪くなり、また化学物質に触れる頻度が低くなるからです。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を室内全体に塗布したり、自動車の車内に塗布したり、排気ガスのフィルターなどに塗布し、光を当てると、さまざまな化学物質のガスを分解することができます。
どのような化学物質のガスを分解できるのか?
弊社にて試験し、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を使って分解を確認した化学物質は、次のものがあります。
- アンモニア
- ホルムアルデヒド
- アセトアルデヒド
- エチレン
- トルエン
- キシレン
- スチレン
- イソプロパノール
- 酢酸
- トリメチルアミン
- メチルメルカプタン
- 硫化水素
- 2-ノネナール
- イソ吉草酸
- アルコール類
他にも、「排気ガスに含まれる化学物質を分解をしたい」ということで、フィルターに屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布して試験された企業様もいらっしゃいます。現在も試験している企業様もいらっしゃいます。
トルエンの分解試験
次の図は、トルエンの分解試験です。酸化チタンを塗布したタイル、銅ドープ酸化チタン(屋内用光触媒コーティング剤BX01-AB1)を塗布したタイル、無塗装のタイルの3種類に紫外線を当て、トルエンの濃度を測定したものです。

酸化チタンは、最初は分解ができましたが、3時間を超えると分解が止まっています。
それに対して銅ドープ酸化チタンは、24時間後には検出ができなくなっていました。
後ほどご説明しますが、ベンゼン環を持つトルエンを分解は、光触媒では難しいとされています。ところが、銅ドープ酸化チタンは分解ができました。
腐食性のあるガスを分解したい場合
もし、腐食性のガス、もしくは酸化分解すると腐食性が発生する場合には、銅ドープ酸化チタンではなく、酸化チタンを使った方が良い場合もあります。
銅ドープ酸化チタンは、酸化チタンの表面に酸化銅を結合した成分です。
腐食性のあるガスを分解する場合、酸化チタンに結合された酸化銅が取れてしまったり、別の物質が結合する恐れがあります。すると、効果が落ちてしまう可能があります。
※ 実際には、試してみないとわかりません。反対に効果が上がる場合もあるかもしれません。
酸化チタンを利用する場合の注意点
酸化チタンを利用する場合の注意点は、紫外線を照射することです。
銅ドープ酸化チタンは、可視光でも化学物質の分解が可能ですが、酸化チタンは紫外線でないと反応しません。
光触媒は、波長の短い光をたくさん当てることで、効果が高まります。そして、酸化チタンを利用する場合は、そのバンドギャップにより、紫外線を照射しないと効果が出ないのです。
それに対して銅ドープ酸化チタンは、ナノサイズの酸化銅による補触媒の効果によって、紫外線でなくても強く反応します。
銅ドープ酸化チタンの吸収スペクトルは次の図の通りです。

波長が380nm以下のところが紫外線です。紫外線は吸収率が100%で、可視光になると吸収率が下がっています。しかし、酸化チタンのように可視光はほぼ吸収できないことと比較すると、可視光でも効果があることが、銅ドープ酸化チタンのメリットです。
銅ドープ酸化チタンが利用できるのであれば、そちらの方が良いと思います。
銅ドープ酸化チタンでも念のため紫外線を照射
とはいえ、銅ドープ酸化チタンでも念のために紫外線を照射しておいた方が良いです。
その理由は、紫外線のような光エネルギーの強い光を当てた方が、化学物質を分解する効果が高いからです。
次の写真は、新築マンションで化学物質の濃度が指針値を超えたために、対策を依頼された施工例です。

指針値とは、厚生労働省ホームページ「室内空気中化学物質の室内濃度指針値について」に記載された成分の濃度基準です。
ベンゼン環を持つ化学物質の分解

室内濃度指針の中で、ベンゼン環を持つ化学物質があります。
厚生労働省で室内濃度の指針値が示されているものとしては、次のものがベンゼン環を持ちます。
- トルエン
- キシレン
- エチルベンゼン
- スチレン
- パラジクロロベンゼン
- フェノブカルブ
- フタル酸ジ―n―ブチル
- フタル酸ジ―2―エチルヘキシル
ベンゼン環は、酸化チタンでは分解ができないため、銅ドープ酸化チタンと紫外線を組み合わせることが大切です。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の利用方法
ご家庭の場合
室内の化学物質濃度を下げたい場合は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を部屋全体に塗布して、紫外線ランプを設置します。先ほどの施工例の通りです。
塗布には、専用のスプレー装置を使います。
新築物件やリフォーム後の化学物質濃度を下げる施工は、実績が多いので、弊社までご相談ください。
工場の排気ガスの場合
工場などの排気ガスの化学物質濃度を下げたい場合は、フィルターと紫外線ランプを組み合わせます。それを、ダクトに接続します。
まずは、銅ドープ酸化チタンもしくは酸化チタンにて、対象の化学物質が分解可能かを試験してからの施工となります。
化学物質処理に光触媒を利用するメリット
化学物質処理に重油などを使って焼却しているところは多いと思います。化学工場では、よく利用されている方法です。
CO2削減が求められる現在では、光触媒で分解ができたら、重油の量を減らすことができます。
ISO14001の改訂が間もなくございますが、環境対策としてのお取り組みとしていかがでしょうか?

この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役 島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。
運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。
現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。
その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

