蛍光灯やLEDの光で抗菌ができる光触媒の種類

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光触媒とは、光が当たると抗菌やニオイの分解消臭ができる成分です。しかも、光が当たり続ける限り、効果が持続するという優れものです。

コーティング剤として実用化されている光触媒の種類

光触媒と言っても、いろいろな種類があります。コーティング剤として実用化されている光触媒の種類は、

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン
  • タングステン担持酸化チタン

他にも、銀イオンや銅イオンを添加したハイブリッド光触媒と言われるものもあります。成分としてはこの6種類が主なものです。

抗菌コーティング剤として利用されている光触媒の種類

これらの中で、室内の抗菌用として使用されている光触媒は、

  • 酸化チタン
  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

です。これらは、室内の抗菌用として利用されますが、効果の高さや性質が異なります。「種類を選び間違うと効果がまったく無い」というものもあります。

室内では抗菌効果が無い光触媒=酸化チタン

室内ではまったくと言ってよいほど抗菌効果の無い光触媒の典型例が、酸化チタンです。

酸化チタンを使ったコーティング剤を製造している、もしくは使用している業者の試験結果(エビデンス)をよくご覧ください。

小さな文字で、「紫外線を照射」と書いてあるはずです。

酸化チタンは、紫外線が当たらない環境では、「まったく抗菌ができない」と言っても良いくらいです。

酸化チタンと銅ドープ酸化チタンの大腸菌抗菌試験

次の図をご覧ください。この図は、200Lxという薄暗い蛍光灯の光を照射したときに、大腸菌の数がどのように変化するかを試験したものです。

蛍光灯(200Lx)の光での酸化チタンと銅ドープ酸化チタンの大腸菌抗菌試験結果

上段のブランクとは、何もしていない状態のものです。中段が酸化チタン、下段が銅ドープ酸化チタンを使用したものです。

200Lxの「Lx」は、明るさの単位です。読み方は「ルクス」です。200Lxは、夜の薄暗いリビングほどの明るさです。

単位のCFUは、大腸菌のおおよそのコロニー数です。CFUの数値が下がっていると、抗菌ができていると言えます。測定結果は1時間後(60分後)です。時間が経過して抗菌ができているると、もっと時間をかければいずれゼロにまで下がると思います。

さて、酸化チタンは、1時間後には大腸菌の数が約40%減少しています。さらに1時間後には、そこからさらに40%減少すると思います。

銅ドープ酸化チタンでは60分後に2,400CFUに下がっています。

この試験環境では、酸化チタンが、銅ドープ酸化チタンの1時間後と同等まで大腸菌の数が下がるのには、おおよそ6時間ほどかかると予想します。

酸化チタンが蛍光灯でも多少の抗菌ができた理由

酸化チタンは、紫外線が当たらないと抗菌力がほとんどありません。ところが、蛍光灯の光を照射したら、大腸菌を多少なりとも抗菌ができました。

その理由は、蛍光灯の光に、少し紫外線が含まれているからです。

この大腸菌の試験では、シャーレと蛍光灯の距離が近かったため、紫外線が多く含まれていた可能性があります。

実際の室内環境では、蛍光灯と壁との距離は、2m以上離れています。

少し難しい話をすると、光の発散は、距離の3乗に反比例します。つまり、実際の部屋の壁に到達する光には、紫外線がほとんど含まれていません。

よって、酸化チタンは効果がありません。

なぜ酸化チタンコーティング剤が用いられているのか?詐欺ではないか?

なぜ、室内で効果の無い酸化チタンが用いられているのでしょうか?

その理由は、いろいろとあると思いますが、その最もの理由は、「施工業者さんがこの事実を知らないから」だと思います。

光触媒コーティング剤のメーカーでは、小さな文字で「紫外線を照射したら抗菌ができる」と記載し、抗菌試験結果を掲載しています。

施工業者さんが、この小さく書かれた文字を読み飛ばして、「酸化チタンコーティング剤で抗菌ができる」と勘違いしたものと思われます。

ハイブリッド光触媒の存在

光触媒コーティング剤のメーカーは、「酸化チタンは室内では効果が無い」ということを知っています。

そこで、酸化チタンコーティング剤に銅イオンを添加した、ハイブリッド光触媒という光触媒コーティング剤を製造・販売しています。

銅イオンと言っても、イオンは水に溶けている状態ですから、実際には銅の微粒子が添加されています。銅の微粒子が、水に溶けて、銅イオンとなったら、抗菌力を発揮します。

ところが、銅はなかなか水に溶けません。実際に、コップに水と10円玉を入れたとしても、10円玉はなかなか溶けないと思います。

水に入れて溶けないわけですから、壁に銅を塗布したところで、ほとんど銅イオンになりませんから、抗菌力はとても弱いです。

ですので、ハイブリッド光触媒の試験でも、小さな文字で「紫外線を照射」とか「2,000Lxの蛍光灯の光を照射」とか、非現実的な光を当てて試験してます。

ちなみに、2,000Lxと言えば、手術室の明るさが1,000Lxですから、その2倍の明るさになります。

200ルクスと1,000ルクスの明るさのイメージ

可視光応答型光触媒

酸化チタンは、室内では抗菌力がほとんどありません。では、どの光触媒の種類を選べば良いのでしょうか?

それは、可視光応答型光触媒(かしこうおうとうがたひかりしょくばい)を選ぶことです。

可視光応答型光触媒とは、目に見える光、つまり蛍光灯や白色LEDの光が当たっても、抗菌力を発揮する光触媒のことです。

光触媒コーティング剤として利用されている、主な可視光応答型光触媒の種類は

  • 銅ドープ酸化チタン
  • 窒素ドープ酸化チタン
  • 鉄ドープ酸化チタン
  • 酸化タングステン

これらはすべて可視光応答型光触媒ですが、効果の高さに違いがあります。

これらの中で、もっとも効果の高い可視光応答型光触媒は、銅ドープ酸化チタンです。

銅ドープ酸化チタンとは?

酸化チタン結晶の表面に酸化銅が結合「銅ドープ酸化チタン」

銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタン結晶の表面に酸化銅を結合させた、ナノサイズの微粒子です。

酸化チタン単体では、紫外線が当たったときでないと抗菌ができません。それに対して、銅ドープ酸化チタンは、蛍光灯や白色LEDの光でも抗菌ができます。

次の図は、白色LEDから発する光のスペクトルに、酸化チタンと銅ドープ酸化チタンが効果を発揮する領域を記載したものです。

白色LEDの発光スペクトルと、酸化チタンと銅ドープ酸化チタンが反応する波長領域

白色LEDは、青色の光にピークがありますが、この光によって抗菌力を発揮します。

銅ドープ酸化チタンの抗菌力の高さ

銅ドープ酸化チタンの抗菌力の高さを、他の可視光応答型光触媒と比較すると、200Lxほどの蛍光灯の光の下では、次の図のように、10~20倍もの効果の高さがあります。

銅ドープ酸化チタンの効果比較

なぜ、銅ドープ酸化チタンは他の可視光応答型光触媒と比べても、これほどまでに効果が高いのでしょうか?

それは、銅ドープ酸化チタンは、酸化チタンに結合された、ナノサイズの酸化銅による補触媒の効果が加わっているからのようです。

光触媒の効果と、ナノサイズの酸化銅の補触媒の効果によって、高い抗菌力を発揮します。

銅ドープ酸化チタンの利用方法

銅ドープ酸化チタンの利用方法は、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を使用することです。

弊社製品であれば、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。

屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)
光触媒銅ドープ酸化チタン
接着成分アモルファス酸化チタン
その他
香料無添加
有機溶剤無添加
塗布後の色透明(クリア塗装)

この光触媒コーティング剤の特長は、

  • 銅ドープ酸化チタンを使用した世界初の光触媒コーティング剤
  • 接着成分に銅ドープ酸化チタンと相性の良いアモルファス酸化チタンを使用。耐久性が高いので、効果の持続期間が長い
  • 完全な無機塗料
  • 専用のスプレー装置を使うことで、クリア塗装ができる

銅ドープ酸化チタンを使った抗菌コーティング施工なら、イリスまでお気軽にご相談ください。

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この記事の著者/責任者

株式会社イリス 代表取締役 島田 幸一 (Shimada Koichi)

島田幸一

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。

運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。

現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。

その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。