親水コーティングの「親水」とは、水に馴染む性質のことです。親水の反対が撥水です。撥水は、水を弾く性質のことです。
外壁や窓ガラスに親水性を付与する施工のことを、親水コーティングといいます。
なぜ外壁や窓ガラスを親水コーティングするのか?
親水は、外壁や窓ガラスに付与すると、汚れが防止できます。そのメカニズムは、次の図をご覧ください。

外壁や窓ガラスに親水コーティングをしておきます。①コーティング面に汚れが付着して、そこに雨が当たると、②雨がコーティング面と汚れの間に入り込み、③汚れが自動的に流れ落ちます。
このように、自動的に汚れが落ちる効果のことを、セルフクリーニングといいます。
親水コーティングの材質
親水コーティングには、親水性を付与するための素材として、光触媒(ひかりしょくばい)を利用します。
光触媒とは、光が当たると汚れを分解する性質があることと、それと同じ性質で、水を引き寄せる性質、親水性が出ます。
利用する成分は酸化チタン
光触媒と言っても、いろいろな種類がありますが、主に利用される成分が「酸化チタン」です。
酸化チタンとは、チタン金属が酸化したナノサイズの微粒子です。
酸化チタンは、紫外線が当たると親水性が出ます。
外壁や窓ガラスには、日光に含まれる紫外線が当たり、親水性が出ます。
コーティング成分
親水コーティングには、酸化チタンといった光触媒成分の他にも、コーティング成分も入っています。
コーティング成分には、主にアモルファス酸化チタンが利用されます。
アモルファスとは、非結晶の意味です。酸化チタンは、一般的には結晶で存在していますが、結晶構造を持たない酸化チタンを利用します。
アモルファス酸化チタンと水がまざったものを塗布し、それが乾燥すると、酸化チタンが強固に付着します。
このコーティング剤は、ゾル・ゲル法という方法で、親水コーティング剤を製造します。
塗布面の材質に合った光触媒成分
親水コーティングは、主に外壁と窓ガラスに利用しますが、それぞれの性質に合った光触媒成分を選ぶことが大切です。
| 塗布面 | 最適な光触媒 |
|---|---|
| 外壁 | 酸化チタン |
| 窓ガラス | タングステン担持酸化チタン |
外壁に最適なのは酸化チタン

外壁の親水コーティングには、酸化チタンが最適です。
酸化チタンは、汚れを分解する効果が高いので、防汚効果が高くなります。
酸化チタンを使った親水コーティング剤は、弊社製品は屋外用光触媒コーティング剤(BX01)です。
成分は、酸化チタンとアモルファス酸化チタン、水の3種類だけです。
| 光触媒 | 銅ドープ酸化チタン |
|---|---|
| 接着剤(バインダー) | アモルファス酸化チタン |
| その他 | 水 |
窓ガラスに最適なのはタングステン担持酸化チタン
タングステン担持酸化チタンとは、酸化チタン結晶の表面に酸化タングステンを結合させた光触媒です。
その結合させることを、「担持(たんじ)」といいます。
なぜ、酸化チタンに酸化タングステンを結合させるのかと言いますと、「酸化チタンの屈折率の高さ」にあります。

酸化チタンは、光の屈折率が高いので、窓ガラスに使用すると、窓ガラスが虹色に見えやすくなります。
そこで、屈折率の低い酸化タングステンを結合させることによって、窓ガラスの透明な親水コーティングができます。
タングステン担持酸化チタンを使った親水コーティング剤は、弊社製品であれば、ガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)です。
| 光触媒 | タングステン担持酸化チタン |
|---|---|
| 接着剤(バインダー) | 有機アモルファス酸化チタン |
| その他 | 水、界面活性剤、その他 |
親水コーティングの施工方法

親水コーティング施工は、専用のスプレー装置を使って親水コーティング剤を塗布します。
弊社の製品は、ABAC(アバック)温風低圧塗装機を用います。
この装置は、ブロワーとスプレーガンがセットになっています。スプレーガンの塗料カップに、親水コーティング剤を充填して塗布します。
塗布する前に、もちろん塗布面を入念に清掃してからになります。
外壁や窓ガラスの親水コーティング施工なら、イリスまでお気軽にご相談ください。

この記事の著者/責任者
株式会社イリス 代表取締役 島田 幸一 (Shimada Koichi)

私はもともと、地元農業のソリューション提供を事業としていたが、野菜や果物の劣化を促進させるエチレンガスの分解を研究したことで、光触媒の可能性を感じ起業いたしました。
運よく可視光でも効果のある酸化チタン光触媒を世界で初めて開発して脚光を浴び、さまざまな業種のお客様から注文をいただける企業にまで成長できました。
現在弊社は、可視光応答型光触媒を使ったコーティング剤を始め、外壁やガラス、石材、自動車の車内にクリア塗装ができる光触媒コーティング剤や、酸化チタンから下地を守るプライマーの開発。
その後も、さまざまな材質に光触媒を定着するための研究を続け、多くの企業で採用されています。

