VOCとは、揮発性有機化合物(きはつせいゆうきかごうぶつ)の略です。
新築住宅の中に入ると、新築特有の化学物質の匂いがします。新車も同様に、新車特有の匂いがします。
それらの匂いは、VOCが原因です。

弊社では、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング施工による、VOC対策のサービスをご提供しています。
銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンに酸化銅を結合させたナノサイズの光触媒成分です。
弊社はそれを使ったコーティング剤を開発し、VOC対策でもよくご利用いただいています。
VOC対策のためのコーティング施工の流れ
銅ドープ酸化チタンを使ったコーティング施工の流れは、基本的に次の手順で行っています。
- VOC濃度測定
- 家具や荷物などの移動
- コーティング剤の塗布面の清掃
- 養生
- プライマー塗装
- 銅ドープ酸化チタンを使ったコーティング塗装
- 施工後のVOC濃度測定
- 片付けと復旧
- 紫外線ランプの設置(必要であれば)
VOC濃度測定
VOC濃度測定は、ハンディータイプの装置で簡易的に計測します。
ハンディータイプでの測定ですから、簡易的な測定ですが、その場で濃度がわかります。弊社が利用しているものは、ホルムアルデヒド濃度とTVOC濃度を測定できます。
正確にVOC濃度を測定する場合は、外部業者に委託するので、費用と時間がかかりますが測定できます。
養生
養生とは、コーティング剤を塗布しない面、例えばガラス面や家電製品、コンセント類や照明器具、観葉植物などをビニールシートや養生テープで覆うことです。
ガラス面にコーティング施工すると、ガラスを見る角度によって虹色模様がうっすら出てしまうので、養生をします。家電製品などの電気類は、漏電の恐れがあるので、これも養生します。
プライマー
プライマーとは、光触媒による劣化防止剤のことです。光触媒を塗布した箇所に直射日光が当たると、その箇所の色あせが起きやすくなります。それを防止するために昼間に直射日光が当たる箇所にプライマーを塗布します。
劣化防止と言っても、プライマーを使用しないで塗装しても、1~2年後に「少し色あせしたかな?」という程度ですから、ボロボロに劣化するわけではありません。ですが、色あせは劣化していることに変わり有りませんから、プライマーを塗布しています。
塗布は専用のスプレー装置で2回ずつ
プライマーとコーティング剤の塗布は、専用のスプレー装置を使って、それぞれ2回ずつ行います。光触媒をしっかり塗布することで、VOCを分解する効果が高まります。
弊社が利用しているスプレー装置は、ABAC温風低圧塗装機です。次の写真は、ABAC温風低圧塗装機(SG-91)です。

写真上側の青色の装置は、ブロワー装置です。ブロワーを起動させると温風が噴き出します。
黒いエアホースを通じて、その先にスプレーガンが接続されています。
スプレーガンの上側に塗料カップがついていますが、そこにプライマーやコーティング剤を充填して、壁紙や床、マットレス、ソファー、カーテンなどにスプレーします。
乾燥時間
プライマーとコーティング剤を塗布した後は、それぞれ乾燥のために30分~2時間ほど置きます。夏は30分、冬は2時間ですが、冬でも室内で暖房をつけていたら1時間ほどでかまいません。
紫外線ランプの設置
分解消臭したいVOCの種類や室内環境によっては、銅ドープ酸化チタンであったとしても分解が難しい場合があります。
分解が難しいVOCの種類は、トルエンやキシレン、スチレンといったベンゼン環のVOCです。それらのVOCは、室内が薄暗いと分解速度が遅くなり、濃度が下がらない場合があります。
そういったことを防ぐため、紫外線ランプを室内に設置し、銅ドープ酸化チタンを活性化させてVOC対策します。

使用する光触媒コーティング剤

室内のVOC対策で使用する光触媒コーティング剤は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)は、銅ドープ酸化チタンを使った液剤です。
銅ドープ酸化チタンは、酸化チタンに酸化銅を結合させたナノ粒子です。コーティング剤として実用化されている数ある光触媒の中で、銅ドープ酸化チタンのみが分解できるVOCの種類もございますので、VOC対策をする場合は、銅ドープ酸化チタンが効果的だと言えます。
また、次の表のようにアルコール類や有機溶剤、樹脂類を使用していませんから、これもVOC対策として適していると言えます。
| 光触媒 | 銅ドープ酸化チタン |
|---|---|
| 接着剤(バインダー) | アモルファス酸化チタン |
| その他 | 水 |
最近では、リフォームやリノベーションをしている企業様から、「施主様からクレームがあって困っている」とご相談をいただくことが増えました。
VOC対策なら、イリスまでお気軽にご相談ください。


