酸化チタンは、光触媒の一種で、化学物質を分解する性質があります。
新車の匂いの原因は、化学物質が揮発してきて匂うものですから、「酸化チタンで新車の匂いが消臭できるのでは?」と考える方もいらっしゃいます。
ところが、酸化チタンを車内に使用しても、新車の匂いは消えません。
先日も、酸化チタンを使って試験された方が、「新車の匂いは消えない」と弊社にご相談いただきました。
なぜ酸化チタンは新車の匂いが消えないのか?
酸化チタンでは新車の匂いが消えない理由は2つあります。
1.紫外線が当たらないと効果が出ないから
酸化チタンが化学物質を分解する効果を発揮する条件は、紫外線が当たったときのみです。紫外線以外の光は、酸化チタンが吸収できないので、可視光では効果がありません。
自動車の車内は、直射日光が射しこみますから、「酸化チタンでも効果があるのでは?」とお考えの方は、自動車のUVカットガラスのことをお忘れだと思います。
最近の自動車のUVカットガラスは、紫外線を99%以上カットするため、酸化チタンの効果が1%未満に抑えられてしまうことを意味します。

2.酸化チタンでは分解できない化学物質もあるから
仮に、酸化チタンに紫外線が当たって活性化したとしても、ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドであれば簡単に分解ができますが、トルエンやキシレン、スチレンといったベンゼン環を持つ芳香族化合物の分解はできません。
そのため、新車の匂いの原因が芳香族化合物だったとしたら、酸化チタンを活性化させられたとしても、新車の匂いが残ってしまいます。
次の図は、酸化チタンに紫外線を照射したときに、トルエンが分解できるかを試験した結果です。酸化チタンを塗布した板を入れて紫外線を照射しても、トルエン濃度はほとんど下がりませんでした。

新車の匂いが消臭できる光触媒は?
結論から述べると、新車の匂いが消臭できる光触媒は、今のところ実用化されている光触媒の中では、銅ドープ酸化チタンだけです。
銅ドープ酸化チタンは、UVカットガラスを通した可視光でも強く反応します。可視光でも効果のある光触媒のことを、可視光応答型光触媒といいますが、銅ドープ酸化チタンは可視光応答型光触媒の中で、もっとも効果が高いことで知られています。
他の実用化されている可視光応答型光触媒と比べて、10~20倍以上の効果があります。

また、銅ドープ酸化チタンだけが、トルエンやキシレンといった芳香族化合物を分解することができます。先ほどの図に、銅ドープ酸化チタンの試験結果を加えたものが、次の図になります。

このように酸化チタンを利用しても、新車の匂いを消臭することはできませんが、銅ドープ酸化チタンであれば、消臭ができます。

銅ドープ酸化チタンの利用方法ですが、手軽に消臭したいのであれば、光触媒スプレー「アキュートクリーン」をご利用ください。
成分は、銅ドープ酸化チタンと水だけで、有機溶剤やアルコールなどを利用していませんから、化学物質を分解するのに適しています。
また、スプレーしても無臭ですから、匂いに敏感な方にもおすすめです。
| 原材料 | 光触媒:銅ドープ酸化チタン その他:水 |
|---|---|
| 内容量 | 200mL(600回ほどスプレー可能) |
| 香り | 無香料 |
| アルコール | 不使用 |
| 価格 | 2,200円(税込) |
アキュートクリーンの使い方に関しては、「新車の匂いにもおすすめ!消臭スプレーアキュートクリーンの使い方」をご参照ください。
簡単にご説明するならば、自動車のシートや床マット、天井、トランクの中、ダッシュボードやドアポケットなど、車内全体にスプレーしてください。
新車の匂いを消臭したい方は、ぜひアキュートクリーンをお試しください。


