有機塗料と無機塗料は何が違うのか?

投稿日:

塗料とは、顔料と接着成分の入ったペンキのようなものです。

塗料の分類には、有機塗料と無機塗料があります。この違いは、有機成分を使っているのか、それとも無機成分を使っているのかの違いです。

有機とは、炭素原子を含む成分のことですが、塗料では主に樹脂を使った塗料を指します。

無機とは、反対に炭素原子を含まない成分のことです。例えば、珪藻土などの無機成分で作られた塗料です。

光触媒の主成分は、酸化チタンです。光触媒塗料は、酸化したチタンの微粉末を利用します。酸化チタン結晶には、炭素原子が含まれていませんから、無機成分になります。

ところが、接着成分に樹脂を用いた塗料は、酸化チタンは無機成分でも、接着成分が有機成分ですから、有機塗料に分類されます。さらに、多くの顔料はほとんどが有機成分です。

光触媒塗料で無機塗料に分類されるものは、とても種類が少ないです。

「ならば、有機の光触媒塗料を利用したらいいのでは?」とお考えかもしれませんが、有機成分は光触媒によって分解されてしまうので、外壁が1~2年ほどで色あせしたり、3~5年ほどでひび割れが起きたりする場合が多いです。

ですから、外壁に光触媒塗料を利用する場合は、無機塗料を用いた方が良いのですが、無機顔料は種類が少ないので、塗料の色の種類が限られてしまいます。

そういったことから、外壁に光触媒を利用したい場合は、光触媒塗料を利用するのではなく、光触媒コーティング液剤を利用することが多いです。

光触媒コーティング液剤とは、水性成分で透明な塗装(クリア塗装)ができる液剤です。下地の色を自由に選ぶことができるので、外壁の防汚コーティングには、光触媒塗料よりも光触媒コーティング液剤が選ばれることが多いです。