光触媒とは、光が当たると活性化し、抗菌や消臭ができる成分のことです。
光触媒と言っても、いろいろな材質があります。主な材質としては、酸化チタン(アナターゼ型)があります。
光の波長と人で見える色
光触媒は、光が当たると言っても、光にもいろいろな種類があります。その種類は、光の波長によって異なります。
光の波長によって、見える色が異なります。その関係は、次の図をご覧ください。

波長の長さの単位は「メートル(m)」です。メートルと言っても、目に見える光の波長は、とても短いですから、補助単位として「ナノ(n)」が付属します。
目に見える光のことを、可視光と言いますが、可視光の波長はおおよそ「400nm~750nm」と、幅は狭いです。そして、波長によって虹色に変化します。
380nmよりも短い波長は、紫色の外ということで、「紫外線」と言われます。
反対に、780nmよりも長い波長は、赤色の外ということで、「赤外線」と言われます。
このように、光は波長によって、人が見える色が異なります。
光触媒が吸収できる光の波長
光触媒は、種類によって吸収できる光とできない光がありますが、それが波長によって異なります。
さらに、光触媒が光を吸収して、その表面に電子が飛び出させることができれば、光触媒に抗菌や消臭といった効果を発揮させることができます。
どの光の波長によって、光触媒から電子が飛び出すかどうかは、その材質が持っているバンドギャップと言われる、障壁の高さによって異なります。
光触媒で一般的に利用されている酸化チタンは、波長が380nm以下の光、つまり紫外線が当たることによって電子が飛び出します。
紫色から赤色まで、可視光が当たっても、酸化チタンはほとんど効果を発揮しません。
銅ドープ酸化チタンが吸収できる光の波長
弊社では、銅ドープ酸化チタンと言われる光触媒を使った製品を開発していますが、銅ドープ酸化チタンが吸収できる光の波長は、次の図をご覧ください。

横軸が光の波長、縦軸が吸収できる割合です。
380nm以下の波長の光は、100%吸収できます。この波長の光が当たれば、銅ドープ酸化チタンは100%、電子の発生に光エネルギーが転換できていることを意味します。
400nm以上になると吸収率が下がってきます。450nmほどの青色の光ですと、吸収率は50%ほどになります。
青色の光ですと、光エネルギーの50%を電子の発生に利用できることを意味します。シアン色になると30%ほどにまで低下します。
それ以上の長い波長の光も吸収できるのですが、光エネルギーは波長の長さに反比例するため、光エネルギーが弱くなるので、抗菌や消臭に利用できる光は、実質的に紫外線から紫、青色、シアン色までとなります。
この結果から言えることは、銅ドープ酸化チタンは蛍光灯や白色LEDといった光源の光が当たっても、抗菌や消臭ができることを意味します。
光触媒による抗菌・消臭は使用している成分にご注意
このように、光触媒はどのような光の波長を吸収できるのかによって、室内利用できるのか、室内ではほとんど効果が無いのかが分かれます。
抗菌や消臭は、室内で行いたいことですから、光触媒を選ぶ際には、室内でも効果があるのかどうかを知ってから、成分を選ぶことが大切です。
業者によっては、酸化チタンを使いながら「室内でも効果がある」と吹聴しているところもあるので、要注意なのです。
光触媒による抗菌・消臭は使用している成分にご注意ください。
そして、室内の抗菌や消臭は、銅ドープ酸化チタンといった室内でも効果の高い光触媒の施工をお選びください。


