下地保護を必要としない光触媒コーティング剤のデメリット

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光触媒コーティング施工をしてもらうときに、いくつかの業者を調べていると、「当社の施工は、下地保護剤の塗装が必要無いので、施工費用が安い」という文言を見たことがあります。

下地保護剤とは、光触媒によって塗装面が劣化しないように防止してくれる下地剤のことです。別名として、「プライマー」といいます。

確かに、下地保護剤を利用しない施工ですと、下地保護剤を塗布する分の施工費用が安くなると思います。

ところが、安さの中に隠された落とし穴、大きなデメリットがあることにお気づきでしょうか?

効果の強い光触媒は下地を劣化させる

光触媒は、光が当たると活性酸素を発生させ、細菌類や匂い成分を分解します。ところが、その効果が塗布面にも及んでしまい、塗布面が壁紙や木、布地、塗料などの有機物であれば、それも劣化させてしまう恐れがあります。

劣化と言っても、2~3年ほどして「なんだか色あせした」という程度ですが、劣化するわけですから、何らかの対策が必要です。

ただし、劣化させるのは有機物です。コンクリートや金属は光触媒で劣化しませんから、下地保護剤は必要ありません。

また、下地保護をするべき箇所は、直射日光が当たる箇所です。直射日光が当たる箇所は、光触媒の効果が強く出てしまうので、下地の劣化を加速させる恐れがあるからです。

下地保護剤を必要としない光触媒コーティングのデメリット

さて、デメリットの話をしたいと思います。

それは、「下地保護剤を利用しない光触媒コーティング施工は、効果が弱い」ということです。

光触媒成分は、どれを利用してもメカニズムは同じですから、光触媒が下地を劣化するはずです。そして、抗菌力や消臭力の強い成分を利用すると、それだけ下地を劣化させる効果も強くなるわけです。

そういったことで、「下地を劣化させません」と言っている施工は、「効果が弱いです」と言っていることと同じ意味なのです。

高い抗菌力や消臭力が得られる光触媒コーティング施工をお求めの方は、「下地保護が必要です」と明言している施工業者に任せた方が良いのです。

塗布量とクリア塗装

また、光触媒コーティング剤は塗布量が多くなれば多くなるほど、効果が高くなります。

ですから、分厚く塗布して、「塗布した箇所が白くなります」と言っている施工も、実のところ効果の弱い光触媒成分が利用されています。

効果の高い光触媒成分を利用している施工では、次の2つのことを同時に言っています。

  1. 下地保護を行う
  2. クリア塗装ができる

クリア塗装とは、透明な塗装です。つまり、光触媒コーティング剤を薄く塗っていることを意味します。そして、薄く塗っても下地保護が必要だということは、とても効果が高い光触媒成分を利用しています。

ちなみに、光触媒コーティング剤として実用化されている光触媒成分の中で、もっとも抗菌力や消臭力の高い光触媒成分は、「銅ドープ酸化チタン」です。

銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング施工業者は、上記の2つの条件を満たしています。施工業者に相談するときは、「銅ドープ酸化チタンを使っているのか?、下地保護はしてくれるのか?、クリア塗装ができるのか?」の3点を訊ねてみてください。