親水コーティング剤とは、塗布面に水と馴染む性質、親水性を付与するための塗料のことです。
成分としては、主に光触媒を用います。
親水コーティングを行う場所は、主に外壁とガラスです。
それらを親水性コーティングすることで、雨水の流れによって汚れを浮かせて、自動的に汚れを落とす、セルフクリーニングができます。

光触媒と言っても、いろいろな種類があり、外壁用とガラス用では、光触媒の種類を変えた方が良いです。外壁とガラスにそれぞれ適した光触媒の種類は、次の通りです。
- 外壁用(直射日光が当たる場所) = 酸化チタン
- 外壁用(直射日光が当たらない場所) = 銅ドープ酸化チタン
- ガラス用 = タングステン担持酸化チタン
外壁用(直射日光が当たる場所)

直射日光が当たる外壁は、酸化チタンです。これは鉄則のようなものです。
イリス製品は、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)です。
酸化チタンは、直射日光の紫外線に強く反応して、付着する汚れを分解し、親水性によって汚れを落とすことができます。
看板も酸化チタンを用います。
下地が有機物の場合は、下地保護剤「屋外用プライマー(ASS01)」を塗布してから、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)を塗布します。
コンクリート外壁の場合は、コンクリート用プライマー(セラミックプライマー)を塗布した後に、屋外用光触媒コーティング剤(BX01)を塗布します。
外壁用(直射日光が当たらない場所)

ところが、直射日光が当たらない外壁は、紫外線が当たらないので、酸化チタンが効果を発揮しません。
そこで、可視光でも効果を発揮する光触媒の中で、もっとも効果が高いと言われている、銅ドープ酸化チタンを利用します。
イリス製品は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。名称が「屋内用」となっていますが、外壁にも利用できます。
北側の外壁や、建物が隣接する外壁では、コケやカビが発生することがあります。酸化チタンでは、コケやカビを防止することができませんから、可視光応答型光触媒の一種である銅ドープ酸化チタンを利用します。
可視光応答型光触媒には、いろいろな種類がありますが、銅ドープ酸化チタンが最も効果が高いので、銅ドープ酸化チタンをご利用なさってください。
下地保護は、直射日光が当たる箇所と同様に、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)を塗布する前に、屋外用プライマー(ASS01)を塗布します。
ガラス用
最後にガラスですが、ガラスにはもともとは酸化チタンが多く利用されていました。
酸化チタンは、光の屈折率が高いので、ガラスに塗布すると、ガラスを見る角度によっては、ガラスが虹色に見えてしまいます。そして、酸化チタンだけでは、親水性も若干弱くなります。
そこで、酸化チタンと酸化タングステンを結合させた、タングステン担持酸化チタンを使います。
弊社製品は、ガラス用光触媒コーティング剤(BTG01)です。
タングステン担持酸化チタンは、酸化チタンの弱点をタングステンが補ってくれるので、ガラスが虹色に見えにくくなり、なおかつ親水性も高くなります。
太陽光パネルの親水コーティングにも、タングステン担持酸化チタンがおすすめです。


