- VOC対策とは何をする対策ですか?
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ホルムアルデヒドやアセトアルデヒド、トルエンなどの、室内に揮発してくる化学物質(揮発性有機化合物:VOC)の濃度を下げる対策のことです。
VOC対策には、大きく分類すると次の方法があります。
- 換気
- 分解
- 吸着
弊社にて行っている方法は、銅ドープ酸化チタンによる分解です。
VOCとは?
VOCとは、揮発性有機化合物(Volatile Organic Compounds)の略です。簡単に言うと、シンナーのような化学物質です。
化合物とは、2種類以上の異なる元素が化学結合してできた性質のことです。有機物とは、その化合物に炭素が含まれるもののことです。揮発性有機化合物は、常温・大気圧で揮発する性質のある有機化合物のことですが、人工的に合成されたものを指すことが多いです。
また、VOCという用語を利用する場面は、特に身体に悪影響のある揮発性有機化合物を言う場合に使われます。
部屋のVOCは何が問題なのか?
室内のVOC濃度が高くても、それが一時的なものであれば、身体に何ら影響がないことの方が多いです。
ところが、低濃度であっても慢性的にVOCを吸い続けていたら、あるときに、身体が頭痛やめまいなどの反応を発症することがあります。
そのような反応のことを、化学物質過敏症というようです。そして、家庭の室内で発生するVOCガスによるものを、シックハウス症候群といいます。
VOC濃度がとても低くても、シックハウス症候群を発症するということで、VOC濃度が問題となっているわけです。
VOCの種類
住宅に使用されるVOCの種類は、100種類とも200種類とも言われています。それらの種類は、地方自治体のホームページで調べることができます。
例えば、神奈川県ホームページ「揮発性有機化合物(VOC)に該当する主な物質(PDF)」には、主なものとしてですが、100種類のVOCが記載されています。
VOC濃度の基準値
これだけたくさんの種類のあるVOCですが、厚生労働省で基準値が設定されている種類は、13種類のみです。その種類は、厚生労働省ホームページ「室内空気中化学物質の室内濃度指針値について(PDF)」に記載されています。
ところが、VOCはもっとたくさんの種類があります。
そこで、14種類目として、TVOC濃度の指針値が定められています。TVOCとは、「Total VOC」の略です。
たくさんの種類のVOCをトータルで、「400μg/m3」を上限としています。
家庭ではVOCがどこから出てくるのか?
家庭でVOCが揮発してくる箇所は、次のような箇所です。
- 建物の建材
- 家具
- 家電製品
- ウレタンフォーム
これらに利用されている接着剤、塗料、樹脂などから揮発してきます。スポンジからも、VOCが出てくることもあるようです。
新築住宅では、建材からVOCガスが出てくるということで問題になることもあります。ところが、家具や家電製品を新調したときにも、VOCガスが出てきます。
そのため、新築住宅でなくても、部屋のVOC濃度が高くなる場合もあります。
家庭でのVOC対策は必要か?
2003年に建築基準法が改正され、戸建てやマンションなど、住宅を新築するときは、24時間換気が義務付けられました。
24時間換気をしていたら、部屋で塗装などをしない限り、たいていは室内のVOC濃度が下がり、指針値以下になると思います。
ですから、一般的なご家庭では、特別なVOC対策は必要無いと思います。
しかし、中には一般的でないご家庭もあると思います。そういったご家庭では、換気に加え、それ以外のVOC対策が求められます。
VOC対策の方法
VOC対策の方法には、次の3種類あることを述べましたが、もう少し具体的に解説します。
- 換気
- 分解
- 吸着
換気によるVOC対策
換気とは、VOC濃度が高い部屋の空気を排気して、新鮮な外気を取り入れ、部屋のVOC濃度を下げる方法です。
先ほど説明したように、最近の住宅は24時間換気が義務づけられています。
ところが、24時間換気装置に花粉フィルターや全熱交換器が使われていない場合、もしくは換気装置の音がうるさい場合は、装置を止めてしまう人もいます。
そういった人は、別の方法でVOC対策することをおすすめします。
分解によるVOC対策
分解とは、VOCを分解する方法です。VOCの種類によって、分解が容易なものと、難しいものがあります。
分解が難しいもので、代表的なものが芳香族化合物です。芳香族化合物とは、ベンゼン環を持つ物質ですが、ベンゼン環は分解が難しいものとして知られています。
分解によるVOC対策は、ベンゼン環の分解ができるかどうかがポイントです。
分解によるVOC対策の方法として、ご家庭であれば、次のような方法があります。
- 光触媒による分解
- オゾンによる分解
- 次亜塩素酸による分解
光触媒(ひかりしょくばい)とは、光が当たり続ける限りVOCを分解し続けてくれる成分のことです。主な種類は、酸化チタンです。
光触媒による分解は、弊社にて行っている施工です。これについては、後ほど具体的に解説します。
オゾンによる分解は、
- オゾン発生器をずっと起動し続ける必要がある
- 高濃度でないとあまり効き目がない
- 芳香族化合物の分解は難しい
- 高濃度のオゾンは、身体に悪い
こういった理由でおすすめできません。
また、次亜塩素酸はスプレーで利用するものですが、VOCを分解したら次亜塩素酸が劣化するので、ずっとスプレーし続ける必要があります。ですので、VOC対策としては、現実的ではありません。
吸着によるVOC対策
VOCを吸着剤に吸着させて除去する方法です。吸着剤に利用されるものは、主に
- 活性炭
- ゼオライト
これらは多孔質なので、VOCが入り込み、閉じ込めることができる性質があります。閉じ込めたVOCは、吸着剤の中で分解された、また他のVOCを吸着することができます。
しかし、先ほど説明した芳香族化合物は、ほとんど分解されませんから、吸着剤を交換する必要があります。
また、部屋のVOC濃度を下げるためには、部屋中に吸着剤を設置する必要があります。
戸建て住宅では、床下全体に活性炭を敷きつめる施工を行っている工務店もあります。床下全体に敷き詰めるくらいに施工したら、発生するVOCをじゅうぶんに吸着することができるかもしれません。
あとは費用の問題です。
空気清浄機によるVOC対策の限界
部屋のVOC対策として、空気清浄機を利用する人もいるかもしれません。「部屋のニオイと言えば空気清浄機」ということで、VOCの匂いを何とかしたいということで、導入する人もいるようです。
きちんと調べたわけではありませんが、空気清浄機によるVOC対策には、主に次の2種類のどちらかが利用されていると思います。
- 光触媒による分解
- 活性炭による吸着
活性炭による吸着は、さきほど説明した通り、活性炭の交換が必要です。VOC濃度が高い場合は、活性炭の交換も頻繁に行うべきでしょう。ですから、本格的なVOC対策としては、活性炭は現実的ではありません。
空気清浄機に利用される光触媒の効果
空気清浄機に利用される光触媒の種類は、酸化チタンが多いと思います。それ以外のものは聞いたことがありません。
酸化チタンの性質は、「紫外線が当たったときのみ、VOCを分解する性質を持つ」というものです。つまり、空気清浄機の内部には、紫外線ランプが設置されており、酸化チタンに紫外線を照射しています。
ところが、酸化チタンに紫外線を照射しても、芳香族化合物の分解はできません。
芳香族化合物とは、ベンゼン環を持つ化学物質のことであると、先ほど説明しましたが、この芳香族化合物は酸化チタンでは分解ができないことが知られています。
ホルムアルデヒドといった分解が簡単にできるものであれば、酸化チタン光触媒を使った空気清浄機でもVOC対策ができます。しかし、すべての種類のVOC対策ができるわけではありません。
酸化チタンによる芳香族化合物の分解試験
弊社にて、トルエン・キシレン・スチレンの芳香族化合物を、酸化チタンに紫外線を照射して分解ができるか、試験をしました。
次の図は、トルエンの試験結果です。最初の一瞬は、トルエンの濃度が下がっていますが、それ以降は分解ができていません。

キシレンやスチレンも同様の結果でした。
芳香族化合物を分解できる光触媒の種類
このように、酸化チタンでは芳香族化合物の分解ができませんでした。ここで、「芳香族化合物を分解できる光触媒はあるのか?」ということですが、あります。
その光触媒は、銅ドープ酸化チタンです。
銅ドープ酸化チタンとは、酸化チタンの表面に酸化銅を結合させた、ナノサイズの微粒子です。ナノサイズの酸化銅が、補触媒の効果を発揮して、酸化チタンによる分解を促進させるようです。
この効果により、銅ドープ酸化チタンだけが、光触媒の中で唯一、芳香族化合物を分解できます。
次の図は、先ほどのトルエンの試験結果に、銅ドープ酸化チタンによる分解を加えたものです。キシレンとスチレンも同様です。

ちなみに、銅ドープ酸化チタンにて芳香族化合物を分解できることは、弊社が世界で初めて発見しました。
銅ドープ酸化チタンによって分解を確認したVOCガスの種類
銅ドープ酸化チタンによって、次のVOCガスの分解を確認しています。
- ホルムアルデヒド
- アセトアルデヒド
- トルエン
- キシレン
- スチレン
- イソプロパノール
ホルムアルデヒドやアセトアルデヒドは、どのような光触媒でも、明るい光があれば分解が可能です。ですが、キシレンやスチレンといった芳香族化合物を分解できるのは、銅ドープ酸化チタンだけです。
銅ドープ酸化チタンの利用方法

弊社の抗菌・消臭コーティング施工では、銅ドープ酸化チタンを使った光触媒コーティング剤を使用しています。
使用する液剤の名称は、屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)です。
この液剤は、イリスで自社製造しています。
屋内用光触媒コーティング剤(BX01-AB1)の特長は、
- 銅ドープ酸化チタンを使用しているので、いろいろな化学物質ガスの分解ができる
- 完全な無機塗料(原材料は、銅ドープ酸化チタン・アモルファス酸化チタン・水の3種類のみ)
- 効果の持続期間は10年以上
- VOC対策の実績多数
これを、専用のスプレー装置で、部屋全体に塗布するだけです。
すると、部屋に揮発してくるVOCガス、もしくは揮発してしまったVOCガスが、光が当たって活性化している銅ドープ酸化チタンに触れると、酸化分解されます。
暗い部屋は紫外線ランプを使用
施工後は、明るい光があれば、銅ドープ酸化チタンが芳香族化合物を含むVOCガスを分解してくれます。
ところが、北側の部屋や、いつもカーテンを閉めている部屋では、薄暗いことが多いです。そういった部屋では、紫外線ランプを設置するようにしています。
銅ドープ酸化チタンに紫外線が当たると、強く反応してVOCガスの分解が促進されます。

VOC対策の流れ
VOC対策の基本的な流れは、次の通りです。
- ホルムアルデヒド濃度・TVOC濃度の測定
- 家具や家電製品、荷物等の移動
- 塗布面の清掃
- 銅ドープ酸化チタンを使ったコーティング剤などの塗布
- 乾燥
- 紫外線ランプの設置
- 施工直後のホルムアルデヒド濃度・TVOC濃度の測定
- ご要望があれば1週間程度後にホルムアルデヒド濃度・TVOC濃度を測定
紫外線ランプを設置したら、そこからVOCガスの分解が行われます。施工した後でも、換気はできるだけ行うようにしてください。
以上、VOC対策は何をするのかというテーマで、VOC対策を解説いたしました。
銅ドープ酸化チタンによる室内のVOC対策なら、イリスまでお気軽にご相談ください。
