抗菌と抗ウイルスの違い

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細菌類の対策する言葉に、「抗菌」と「抗ウイルス」という言葉があります。

「抗」とは、「対抗する」という意味ですが、抗菌とは、細菌類に対抗する意味です。抗ウイルスは、ウイルスに対抗する意味になります。細菌類全般には「抗菌」が利用されます。ウイルスには「抗ウイルス」が利用されます。

ちなみに、除菌と抗菌の違いは、除菌は一時的に細菌類の数を減らすことを意味します。それに対して抗菌は、継続的に細菌類の数を増やさないようにする意味で用いられます。つまり、一時的か継続的かの違いです。

ところが、抗ウイルスは「ウイルスの活性を抑制する」という意味だそうです。除菌と抗菌の名称を適用するなら、本当は「除ウイルス」が正しいのかもしれませんが、抗ウイルスと言われます。

そこで、「もしかしたら抗菌の意味の中に、細菌類だけでなくウイルスの対策も含まれるのでは?」と思われたかもしれません。

しかし、ウイルスは細胞の中に取り込まれることによって増殖ができるので、空気中ではウイルスは増殖しないようです。(国際連合食糧農業機関「食品中のウイルス管理への「食品衛生の一般原則」の適用に関する ガイドライン(厚生労働省訳)」を参照)

ですから、抗ウイルスは「ウイルスを不活性化する」という意味になります。一般社団法人抗菌製品技術協議会のホームページ「抗ウイルスとは」によると、「製品上の特定ウイルスの数を減少させること」とされています。

そういったことで、一般的に利用される「抗菌」と「抗ウイルス」とでは、意味が異なるものと考えます。