光触媒コーティングをするときに、あらかじめ下地剤を塗布する場合があります。この記事では、下地剤についてご説明いたします。
光触媒コーティング施工をどこかの業者に依頼しようとお考えの方で、光触媒コーティングの効果の高さを求められるのであれば、下地剤のことも覚えておいていただきたいと思います。
なぜなら、光触媒の効果の高さと、下地剤の性能が切っても切れない縁にあるからです。
効果の高い光触媒コーティングのデメリット
光触媒コーティングをしたときに、効果の高い光触媒コーティング剤を利用すると、「塗装面を劣化させてしまう」というデメリットがあります。

塗装面が劣化すると言っても、ボロボロになるわけではなく、色あせしたり、ペンキであればチョーキングと言って白い粉が出たりする現象が起こります。
チョーキングは、ペンキが塗装された外壁であれば、いずれ発生する劣化現象ですが、光触媒コーティングを行うと、それが加速されてしまいます。
色あせだと、早ければ半年後に「少し色あせしたかな」と感じるほどになる場合があります。
下地に下地材を塗布すべきかどうかは、光触媒によって劣化しやすい箇所です。
塗装面の劣化防止策
もちろん劣化防止策もあります。それは、光触媒コーティングをする前に、下地剤を塗布しておくことです。
下地剤を塗布しておけば、下地と光触媒が直接触れることはありませんから、(基本的には)下地が劣化することはありません。
この下地剤のことを、プライマーとか下地保護剤と言う場合もあります。弊社では、プライマーと呼んでいます。
劣化防止策として、あらかじめ下地剤を塗布しておくべき箇所は、直射日光が当たる場所です。直射日光が当たると、光触媒の効果が強く出てしまうからです。
外壁を光触媒コーティングする場合は、北側の外壁であったとしても、下地剤を塗布しておくべきです。

下地剤を必要としない光触媒コーティング剤は?
光触媒コーティング剤のメーカーによっては、「自社製品は下地剤を必要としません」とPRしているところもあります。
一見すると、「下地材を必要としないなら、施工費用も安くなって良いのではないか?」と考えてしまいますが、ちょっと待ってください。
下地剤を必要としないということは、光触媒の効果が弱いことを意味するのです。
効果の弱い光触媒コーティングをしても、施工費用そのものがムダになりかねませんから、ご注意ください!
下地剤の塗布を必要とする箇所
効果の高い光触媒コーティング剤を選ぶと、下地剤が必要となります。下地剤の塗布を必要とする箇所は、まとめると、次のような条件になります。
- 直射日光が当たる箇所
- 光触媒によって劣化しやすい下地
直射日光が当たる箇所は、特に南側の外壁です。北側は直射日光が当たりませんが、そこも下地剤を塗布しておくべきです。
また、室内であっても南側で直射日光が入ってくる窓辺の箇所です。
下地剤は製品によって劣化することも・・・
下地剤には、アモルファス酸化チタンと言われる成分が利用されています。アモルファス酸化チタンとは、非結晶の酸化チタンですから、光触媒の効果はありません。
ところが、アモルファス酸化チタンに紫外線が長期間当たり続けていると、少しずつ結晶化することが知られています。
つまり、アモルファス酸化チタンが結晶化して、光触媒の性質を持つようになります。
これは何を意味するのでしょうか?
下地剤を塗布していても、2~3年ほどずると下地剤が劣化して、色あせを発生させる恐れがあるということです。
劣化しない下地剤を開発したメーカーの製品を利用すること
弊社は、下地剤が劣化することを試験してつかんでいたため、研究を重ね、劣化しにくい下地剤の開発に成功しました。
特に、毎日常に直射日光が当たる外壁に光触媒コーティングをする場合は、劣化しない下地を開発したメーカーの製品をお選びください。

