酸化チタン光触媒の用途

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酸化チタン光触媒とは、酸化したチタン金属の微粉末を、光触媒として利用するものです。

触媒や光触媒の意味

触媒とは、それに触れるものを、半永久的に化学変化し続けられる物質のことです。光触媒は、「触媒」に「光」がくっついた用語ですが、光触媒とは光が当たることで、それに触れるものを半永久的に化学変化し続けられる物質のことです。

光が当たり続けることで、半永久的に化学変化を起こせるということで、これが光触媒の大きな価値です。

酸化チタンが光触媒としての効果を発揮する条件と理由

酸化チタン光触媒が、光触媒としての効果を発揮するためには、紫外線が当たる必要があります。紫外線が当たると、表面に電子を発生させます。その電子が空気中の酸素や水と反応して、OHラジカルと言われる活性酸素を発生させます。

OHラジカルは、強い酸化力を持つ活性酸素ですから、それに触れるものを酸化分解してくれます。

除菌や消臭

細菌類に接触したら細菌類を酸化分解して、除菌してくれます。しかも、紫外線が当たり続ければ、常にOHラジカルが発生するわけですから、除菌をし続けてくれる。つまり、抗菌ができるわけです。

また、OHラジカルはアンモニアや2-ノネナールといった匂い成分も酸化分解してくれるので、消臭としても利用されます。排気ガス中の化学物質も酸化分解してくれるので、排気ガスから化学物質を分解除去する脱臭にも利用されます。

親水性

酸化チタン光触媒に紫外線が当たると、酸化チタンの表面にOH基が発生します。OH基は、水と馴染みやすい性質を持っているので、酸化チタン光触媒が塗布された場所に紫外線が当たると、その箇所は親水性の効果が現れます。

親水性とは、撥水性の逆の性質です。雨傘が雨水を弾くのは撥水性です。古くなった雨傘は雨水が、ベタッと張り付いているようになりますが、それが親水性です。

親水性が起こると、酸化チタンを塗布した箇所の表面と汚れとの間に水が入り込んで、汚れを浮かせて落とすことができます。この効果のことを防汚効果と言います。

また、雨水の流れといっしょに汚れが自動的に落ちていくため、この効果のことをセルフクリーニングといいます。

酸化チタン光触媒の欠点

酸化チタン光触媒の欠点は、2つあります。

  • 紫外線にしか反応しないこと
  • 塗布面の有機物を酸化分解してしまうこと

酸化チタンは紫外線にしか反応しない

酸化チタン光触媒は、紫外線にしか反応しませんから、室内に利用しても意味がありません。なぜなら、室内には紫外線がほとんど存在しないからです。

紫外線が存在する場所は屋外です。ですから、酸化チタン光触媒は外壁のい防汚に利用されることが多いです。

室内を抗菌や消臭したい場合には、蛍光灯やLEDの可視光でも反応する、酸化チタン以外の光触媒の種類を用います。蛍光灯やLEDなどの可視光で効果を発揮する光触媒のことを、可視光応答型光触媒といいます。

可視光応答型光触媒にはいろいろな種類がありますが、今現在のところ、コーティング剤や光触媒スプレーとして実用化されている可視光応答型光触媒の中では、銅ドープ酸化チタンがもっとも効果が高いです。

酸化チタンが塗布面の有機物を酸化分解してしまう

酸化チタンを外壁に利用すると、外壁が有機物であればそれを酸化分解してしまう恐れがあります。

酸化分解と言っても、すぐにボロボロに壊れてしまうわけではなく、1~2年ほどしたら色あせしたり、小さなヒビ割れが発生したりといったものです。

しかし、外壁の劣化を促進させているわけですから、何らかの対策が必要です。

外壁の劣化防止の方法

酸化チタンによる外壁の劣化防止には、次の2種類の方法のうちのどちらかが利用されています。

  1. 酸化チタンの添加量を抑える
  2. あらかじめ下地保護剤(プライマー)を塗布する

下地保護剤の説明から先にしたいと思います。

下地保護剤をあらかじめ塗布してから、酸化チタンコーティング剤を塗布すると、酸化チタン光触媒が外壁に直接触れることを防いでくれるので、酸化チタンによる外壁の劣化を防止できます。

しかし、下地保護剤も紫外線によって劣化する場合があるので、劣化してしまったら、酸化チタンによって外壁が劣化してしまいます。そのようなことで、下地保護剤の開発はとても難しいのです。(弊社は下地保護剤の開発に成功しました)

下地保護剤の開発ができなかった光触媒メーカーは、どうしたのかと言いますと、酸化チタン光触媒の添加量を抑えて、外壁が劣化しにくいようにしました。

酸化チタン光触媒の添加量が減ったら、防汚効果はどうなるのでしょうか?

もちろん効果が下がりますから、防汚がしにくくなり、酸化チタンを使っても外壁が汚れてしまうわけです。

まとめ

酸化チタン光触媒の用途は、抗菌や消臭、防汚といった用途で用いられます。しかし、室内の抗菌や消臭をしたい場合には、銅ドープ酸化チタンを使った方が良いです。

また、防汚をするのであれば、下地保護剤を開発できたメーカーのものを利用することで、高い防汚効果が得られます。

弊社は、室内の抗菌・消臭コーティング施工を主に行っていますが、弊社の光触媒製品を扱う施工代理店もあるので、外壁の防汚コーティングにも対応いたします。

酸化チタン光触媒を利用した外壁の防汚コーティングも、弊社までお気軽にご相談ください。