アナターゼ酸化チタンとは?

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アナターゼ酸化チタンの結晶構造

光触媒のお仕事に携わる人であれば、必ず出てくる言葉として、「アナターゼ酸化チタン」があります。

酸化チタンとは、チタン金属が酸化したものですが、アナターゼとは何でしょうか?

酸化チタンは結晶として存在しており、その結晶構造の種類の一つが「アナターゼ型」です。別名として、アナタースとも言われます。

他にも、ルチル型やブルッカイト型といった結晶構造があり、ルチルがもっとも安定した結晶構造と言われています。アナターゼ型を加熱していくと、700℃付近で安定したルチル型に相転移します。ブルッカイト型は稀に存在するもので、これも高温になるとルチル型に変化します。

光触媒で利用される酸化チタンはアナターゼ型です。

アナターゼ酸化チタンは、紫外線が当たることで結晶表面に自由電子が飛び出し、それが空気中の酸素や水と反応してOHラジカルを発生させます。その酸化力でもって、除菌や抗菌、防カビ、消臭、アレルゲンや化学物質の分解といった効果が得られます。

酸化チタンには、結晶構造を持たないものもあり、アモルファス酸化チタンといいます。アモルファス酸化チタンは光触媒としての性質を持たないことで知られています。