トルエンの室内濃度指針値

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新築住宅を建てるときに、シックハウス対策を気にされる方は、多いと思います。

シックハウスの原因となる物質は、100種類とも200種類とも言われていますが、代表的なものとしてホルムアルデヒドがあります。

シックハウス対策は、ホルムアルデヒド対策だけをすれば良いのではなく、人がどのような化学物質でシックハウスが出てしまうのかわかりませんから、いろいろな種類の化学物質を対策することが求められます。

厚生労働省は、シックハウスの原因物質13種類に対して、室内濃度の指針値を定めています。その中の一つであるトルエンの室内濃度指針値は、厚生労働省「室内空気中化学物質の室内濃度指針値について」によると、260μg/m3(0.07ppm)です。

この濃度が、どれくらいの濃度なのか、どれくらいの危険性なのかは、一般の方であれば想像がつきませんね。

トルエンは、濃度が高いと特徴的な臭気がしますが、指針値の濃度ですと、トルエンの臭いを感じないほどの、厳しい値だと思います。

しかも、この薄い濃度を正確に測定するためには、専門の調査機関にお願いすることになり、高い費用がかかってしまいます。そのようなことで、トルエン濃度の測定は、ハンディー装置を使っての簡易的な測定を行うことが一般的です。そのようなハンディー装置では、あまり高精度に測れません。

トルエンに限らず、新築住宅に玄関から入ったときに、新築特有の匂いがするようであれば、何かの化学物質が指針値を超えていると考えて良いと思います。